フリーランスと正社員どっちがいい?両方2回ずつやってわかった違いと向いてる人
「フリーランスと正社員、どっちがいい?」の答えは人によります——というのは正しいのですが、それだと何も決まりません。私はフリーランスも正社員も2回ずつ経験して、両方を行き来してきました。その実感で言うと、判断は「収入の上げ方」「安定と社会的信用」「何を積み上げたいか」の3点でだいたい決まります。この記事では、供給側のポジショントークではなく、往復した当事者として正直に違いを整理します。
まず、私がどう行き来したか
比較の説得力は経歴で決まるので先に出します。私は職種をまたいで(データ分析→エンジニア)、フリーランスと正社員を往復してきました。
| 時期 | 働き方 | 内容(ぼかしています) |
|---|---|---|
| 2019年 | フリーランス① | データ分析の業務委託(スマホゲームのマーケ分析) |
| 2020–2021年 | 正社員 | 広告テックのジョイントベンチャーでシニアデータアナリスト |
| 2021–2025年 | フリーランス② | フルスタックエンジニア(不動産テックの新規事業でMVPを半年、他SaaS複数) |
| 2026年〜 | 正社員へ | また正社員に戻る選択をした |
大事なのは、各局面で「何を取りに行ったか」です。
- フリーランス①(データ分析):正社員時代から報酬がいきなり跳ね、月85万円ほどになりました。まず「収入がすぐ反映される」を体感した時期です。
- 正社員(広告テックJV):スカウトで入りました。目的はお金ではなく、グローバルチームで英語で働ける環境を取りに行くこと。正社員は「環境・経験」を取りに行く手段でした。
- フリーランス②(エンジニア):その会社が解散したのを機に、よりプロダクトエンジニア寄りの仕事へ舵を切りました。既存キャリア(データ分析)の延長ではなく、新しいスキルを獲得するためにあえてフリーランスを選んだ——ここは一般論と逆です。
- また正社員へ(2026年):30代中盤になり、チームでの仕事・長期のコミットに加えて、これから積むマネジメント経験を求めての選択です。マネジメントは、個で動くフリーランスでは積みにくく、組織でしか得られない経験でした。
職種が違っても、「働き方そのものの違い」は共通していたというのが、往復してわかった一番の学びです。だから以下はエンジニアに限らず、多くの職種に当てはまる話として書きます。
6つの軸で違いを比較
| 軸 | フリーランス | 正社員 |
|---|---|---|
| 収入の上げ方 | 案件単価が即反映。短期で大きく上げやすいが、月ごとの波がある | 固定給で安定。ただし短期の大幅アップは難しく、上がり方は緩やか |
| 安定・社会的信用 | 収入が途切れるリスクは自分持ち。住宅ローン等は組めるが手間が増える | 毎月固定+社会保険・福利厚生。ローンや賃貸などの社会的信用が強い |
| 自由・裁量 | 働く時間・場所・案件を自分で選べる。週3やフルリモートも組みやすい | 勤務条件は会社の規定に従う。好きでない業務も引き受ける必要がある |
| スキル・技術の幅 | 案件を変えれば幅広い技術・領域に触れられる。ただし各案件は即戦力が前提 | 一つの領域を腰を据えて深められ、未経験にも挑戦できるが、触る技術は会社のスタックに固定されがち |
| キャリアの積み上がり | 個人の実績が資産。一方でマネジメントや事業側の経験は積みにくい | 組織で大きいものを作る・人を動かす・事業に関わる経験を積みやすい |
| 雑務(税・営業) | 営業・請求・確定申告・帳簿を全部自分でやる | 本業に集中できる。事務や税務は会社側が処理する |
表にすると対称に見えますが、実際は「今の自分の局面」でどの軸が効くかが偏ります。独身で市場価値が高い時期はフリーランスの軸が輝き、家族やローン・未経験挑戦が絡む時期は正社員の軸が効く。同じ人でも、時期によって答えが変わって当然です。
ひとつ正直に補足します。フリーランスの代表的なリスクは「不安定さ」ですが、私自身は案件が途切れた時期はほぼなく、営業に苦労した記憶もありません。ただしそれは需要のある領域でスキルが通用したからで、誰にでも保証されるものではない。裏を返すと、私にとってフリーランスのしんどさは「収入の不安」ではなく、常に技術で証明し続ける緊張のほうにありました。だから正社員に戻る決断も、お金の不安からではありませんでした。
フリーランスが向いている人
- すでに市場で通用する強みがあり、それを尖らせて売りたい
- 正社員だと技術範囲が固定されがち。案件を変えて幅広い技術・領域に触れたい
- 単純に手取り(給与)を上げたい(単価が上がれば即反映される)
- 営業・請求・確定申告といった自己管理を自分で回せる
- 働く時間・場所・案件の自由を、安定より優先したい
注意点は、フリーランスは各案件で即戦力が前提なこと。まったくの未経験からスキルを作るフェーズには向きません。ただし私自身はデータ分析→エンジニアという隣接領域への越境をフリーランスでやりました。地続きのスキルがあるなら、キャリアチェンジの手段としてフリーランスに賭ける手はあります。フリーランスの実像はフリーランスエンジニア完全ガイドにまとめています。
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正社員が向いている人
- 安定した固定収入と社会的信用が、今の生活に必要(住宅ローン・育児など)
- チームで大きいものを作りたい、人を動かす経験を積みたい
- 未経験領域に、給料をもらいながら挑戦したい
- 営業や事務の雑務に時間を割かず、本業に集中したい
社会的信用の話でいうと、フリーランスでも住宅ローンは組めます。ただ確定申告の書類を揃えるなど手間が増えるのは事実で、「面倒さ」を正社員という属性で消しにいく、という判断はあります。
「正社員に戻る」は後悔じゃない
フリーランスから正社員に戻ると言うと「失敗した?」と見られがちですが、私はそうは思っていません。フリーランスの自由や収入があっても、技術で証明し続ける緊張が積もると、安定や組織での経験がほしくなる時期が来ます。それは敗北ではなく、必要なものが変わっただけ。
むしろ「往復できる」を前提に考えると、どちらの働き方も気楽に選べます。合わなければ戻ればいい。戻った理由の詳細はフリーランス5年で疲れて正社員に戻った話、選考のリアルはフリーランスから正社員に戻った話に書いています。
どっちか迷ったときの3つの問い
- 今いちばん欲しいのは何か?(短期の収入なら独立寄り、安定と信用なら正社員寄り)
- これから伸ばすのは既存の強みか、未経験領域か?(尖らせるなら独立、学ぶなら正社員)
- 今の生活の局面は?(家族・ローン・育児が絡むなら安定の価値が跳ね上がる)
転職を振り返って、いちばん怖いと思うのは——もし1社だけに絞っていたら、入社した会社に出会えていなかったということです。
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ダイレクトスカウト型
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よくある質問
フリーランスと正社員、結局どっちが得ですか?
『得』の中身によります。短期で手取りを増やしたいならフリーランスが有利になりやすい一方、社会保険・福利厚生・社会的信用まで含めた総合的な安定では正社員が強い。私の実感では、収入の一点だけで比べると見誤ります。収入・安定・自由・キャリアのどれを今優先したいかで答えが変わります。
フリーランスに向いているのはどんな人ですか?
(1)既に市場で通用する強みがある、(2)営業・請求・確定申告などの自己管理を回せる、(3)収入の波を許容できる、(4)特定領域で尖りたい——この条件が揃うほど向いています。逆に、未経験領域にこれから挑戦したい段階では、フリーランスは即戦力前提なので不利になりがちです。
正社員に向いているのはどんな人ですか?
(1)安定した固定収入と社会的信用が今の生活に必要(住宅ローンや育児など)、(2)チームで大きいものを作りたい、(3)未経験領域に給料をもらいながら挑戦したい、(4)マネジメントや事業側にキャリアを広げたい人。組織でしか積めない経験を取りに行くフェーズなら、正社員が合理的です。
フリーランスから正社員に戻るのは後悔ですか?
後悔とは限りません。私はフリーランスと正社員を行き来してきましたが、『戻る』は失敗ではなく、そのときに欲しいもの(安定・信用・組織での経験)を取りに行く合理的な選択でした。むしろ、往復できることを前提に考えたほうが、どちらの働き方も気楽に選べます。戻った理由は関連コラムに詳しく書いています。
フリーランスと正社員(副業)の兼業はできますか?
就業規則で副業が認められていれば可能です。正社員で安定した基盤を持ちつつ、フリーランス的な案件を副業で持つ形は、収入源の分散にもなります。いきなり独立せず、副業でフリーランスの感覚を試してから判断する、という進め方もおすすめです。
収入はフリーランスと正社員どちらが上がりますか?
稼働単価が上がれば、フリーランスは正社員と同等かそれ以上も可能です。ただし単価は自分の市場価値と直結し、営業や案件の切れ目のリスクも自分持ち。正社員は年収の伸びが緩やかな代わりに、賞与・退職金・社会保険といった『見えにくい報酬』が加わります。額面だけでなく総額で比べるのがコツです。
まとめ
フリーランスと正社員は優劣ではなく、今の自分の局面に効く軸で選ぶもの。そして、選んだ後に往復してもいい。ちなみに転職DBのデータでは、退職者の最多の転職先が「独立・起業」だった年もあり、会社を辞めた人が独立に流れる動きは実データにも表れています。気になる会社を辞めた人がどこへ行ったかを見ると、自分の選択肢の相場感もつかめます。
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この記事を書いた人:bani24884
フリーランスのフルスタックエンジニアとして約5年活動したのち、2026年に実際に正社員へ転職活動を行いました。本コラムは、その過程で得た応募〜内定までの一次体験(選考ファネル・年収・複数エージェント運用など)を、 脚色せずに記録したものです。一般論ではなく「当事者が実際に経験したこと」だけを書いています。