フリーランスと正社員どっちがいい?両方2回ずつやってわかった違いと向いてる人

文:bani24884

「フリーランスと正社員、どっちがいい?」の答えは人によります——というのは正しいのですが、それだと何も決まりません。私はフリーランスも正社員も2回ずつ経験して、両方を行き来してきました。その実感で言うと、判断は「収入の上げ方」「安定と社会的信用」「何を積み上げたいか」の3点でだいたい決まります。この記事では、供給側のポジショントークではなく、往復した当事者として正直に違いを整理します。

まず、私がどう行き来したか

比較の説得力は経歴で決まるので先に出します。私は職種をまたいで(データ分析→エンジニア)、フリーランスと正社員を往復してきました。

時期働き方内容(ぼかしています)
2019年フリーランス①データ分析の業務委託(スマホゲームのマーケ分析)
2020–2021年正社員広告テックのジョイントベンチャーでシニアデータアナリスト
2021–2025年フリーランス②フルスタックエンジニア(不動産テックの新規事業でMVPを半年、他SaaS複数)
2026年〜正社員へまた正社員に戻る選択をした

大事なのは、各局面で「何を取りに行ったか」です。

  • フリーランス①(データ分析):正社員時代から報酬がいきなり跳ね、月85万円ほどになりました。まず「収入がすぐ反映される」を体感した時期です。
  • 正社員(広告テックJV):スカウトで入りました。目的はお金ではなく、グローバルチームで英語で働ける環境を取りに行くこと。正社員は「環境・経験」を取りに行く手段でした。
  • フリーランス②(エンジニア):その会社が解散したのを機に、よりプロダクトエンジニア寄りの仕事へ舵を切りました。既存キャリア(データ分析)の延長ではなく、新しいスキルを獲得するためにあえてフリーランスを選んだ——ここは一般論と逆です。
  • また正社員へ(2026年):30代中盤になり、チームでの仕事・長期のコミットに加えて、これから積むマネジメント経験を求めての選択です。マネジメントは、個で動くフリーランスでは積みにくく、組織でしか得られない経験でした。

職種が違っても、「働き方そのものの違い」は共通していたというのが、往復してわかった一番の学びです。だから以下はエンジニアに限らず、多くの職種に当てはまる話として書きます。

6つの軸で違いを比較

フリーランス正社員
収入の上げ方案件単価が即反映。短期で大きく上げやすいが、月ごとの波がある固定給で安定。ただし短期の大幅アップは難しく、上がり方は緩やか
安定・社会的信用収入が途切れるリスクは自分持ち。住宅ローン等は組めるが手間が増える毎月固定+社会保険・福利厚生。ローンや賃貸などの社会的信用が強い
自由・裁量働く時間・場所・案件を自分で選べる。週3やフルリモートも組みやすい勤務条件は会社の規定に従う。好きでない業務も引き受ける必要がある
スキル・技術の幅案件を変えれば幅広い技術・領域に触れられる。ただし各案件は即戦力が前提一つの領域を腰を据えて深められ、未経験にも挑戦できるが、触る技術は会社のスタックに固定されがち
キャリアの積み上がり個人の実績が資産。一方でマネジメントや事業側の経験は積みにくい組織で大きいものを作る・人を動かす・事業に関わる経験を積みやすい
雑務(税・営業)営業・請求・確定申告・帳簿を全部自分でやる本業に集中できる。事務や税務は会社側が処理する

表にすると対称に見えますが、実際は「今の自分の局面」でどの軸が効くかが偏ります。独身で市場価値が高い時期はフリーランスの軸が輝き、家族やローン・未経験挑戦が絡む時期は正社員の軸が効く。同じ人でも、時期によって答えが変わって当然です。

ひとつ正直に補足します。フリーランスの代表的なリスクは「不安定さ」ですが、私自身は案件が途切れた時期はほぼなく、営業に苦労した記憶もありません。ただしそれは需要のある領域でスキルが通用したからで、誰にでも保証されるものではない。裏を返すと、私にとってフリーランスのしんどさは「収入の不安」ではなく、常に技術で証明し続ける緊張のほうにありました。だから正社員に戻る決断も、お金の不安からではありませんでした。

フリーランスが向いている人

  • すでに市場で通用する強みがあり、それを尖らせて売りたい
  • 正社員だと技術範囲が固定されがち。案件を変えて幅広い技術・領域に触れたい
  • 単純に手取り(給与)を上げたい(単価が上がれば即反映される)
  • 営業・請求・確定申告といった自己管理を自分で回せる
  • 働く時間・場所・案件の自由を、安定より優先したい

注意点は、フリーランスは各案件で即戦力が前提なこと。まったくの未経験からスキルを作るフェーズには向きません。ただし私自身はデータ分析→エンジニアという隣接領域への越境をフリーランスでやりました。地続きのスキルがあるなら、キャリアチェンジの手段としてフリーランスに賭ける手はあります。フリーランスの実像はフリーランスエンジニア完全ガイドにまとめています。

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正社員が向いている人

  • 安定した固定収入と社会的信用が、今の生活に必要(住宅ローン・育児など)
  • チームで大きいものを作りたい、人を動かす経験を積みたい
  • 未経験領域に、給料をもらいながら挑戦したい
  • 営業や事務の雑務に時間を割かず、本業に集中したい

社会的信用の話でいうと、フリーランスでも住宅ローンは組めます。ただ確定申告の書類を揃えるなど手間が増えるのは事実で、「面倒さ」を正社員という属性で消しにいく、という判断はあります。

「正社員に戻る」は後悔じゃない

フリーランスから正社員に戻ると言うと「失敗した?」と見られがちですが、私はそうは思っていません。フリーランスの自由や収入があっても、技術で証明し続ける緊張が積もると、安定や組織での経験がほしくなる時期が来ます。それは敗北ではなく、必要なものが変わっただけ。

むしろ「往復できる」を前提に考えると、どちらの働き方も気楽に選べます。合わなければ戻ればいい。戻った理由の詳細はフリーランス5年で疲れて正社員に戻った話、選考のリアルはフリーランスから正社員に戻った話に書いています。

どっちか迷ったときの3つの問い

  1. 今いちばん欲しいのは何か?(短期の収入なら独立寄り、安定と信用なら正社員寄り)
  2. これから伸ばすのは既存の強みか、未経験領域か?(尖らせるなら独立、学ぶなら正社員)
  3. 今の生活の局面は?(家族・ローン・育児が絡むなら安定の価値が跳ね上がる)
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ここに並ぶのは、私が実際に使った8社だけ。名前も知らない会社を埋め草で足したりはしていません。

01

ダイレクトスカウト型

企業やヘッドハンターから直接スカウトが届く。年収の提示が早く、レンジも広い。エージェントを挟まないぶん話が速い。

ビズリーチ編集部メモ

エージェントを挟まず企業と直接話せる。最終的な入社先も、ここに届いたスカウトがきっかけでした。

Findy編集部メモ

スカウトとエージェントの両取り。担当の技術理解が高く、ここ経由で内定を1社もらえました。

02

総合・IT特化エージェント型

求人の提案量と技術理解が段違い。面接対策まで伴走してくれるので、選考そのものが有利になる。

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レバテックキャリア編集部メモ

面接前にしっかり時間を取って対策してくれて、通過率が目に見えて上がった実感があります。

03

特化型(高年収・コンサル)

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よくある質問

フリーランスと正社員、結局どっちが得ですか?

『得』の中身によります。短期で手取りを増やしたいならフリーランスが有利になりやすい一方、社会保険・福利厚生・社会的信用まで含めた総合的な安定では正社員が強い。私の実感では、収入の一点だけで比べると見誤ります。収入・安定・自由・キャリアのどれを今優先したいかで答えが変わります。

フリーランスに向いているのはどんな人ですか?

(1)既に市場で通用する強みがある、(2)営業・請求・確定申告などの自己管理を回せる、(3)収入の波を許容できる、(4)特定領域で尖りたい——この条件が揃うほど向いています。逆に、未経験領域にこれから挑戦したい段階では、フリーランスは即戦力前提なので不利になりがちです。

正社員に向いているのはどんな人ですか?

(1)安定した固定収入と社会的信用が今の生活に必要(住宅ローンや育児など)、(2)チームで大きいものを作りたい、(3)未経験領域に給料をもらいながら挑戦したい、(4)マネジメントや事業側にキャリアを広げたい人。組織でしか積めない経験を取りに行くフェーズなら、正社員が合理的です。

フリーランスから正社員に戻るのは後悔ですか?

後悔とは限りません。私はフリーランスと正社員を行き来してきましたが、『戻る』は失敗ではなく、そのときに欲しいもの(安定・信用・組織での経験)を取りに行く合理的な選択でした。むしろ、往復できることを前提に考えたほうが、どちらの働き方も気楽に選べます。戻った理由は関連コラムに詳しく書いています。

フリーランスと正社員(副業)の兼業はできますか?

就業規則で副業が認められていれば可能です。正社員で安定した基盤を持ちつつ、フリーランス的な案件を副業で持つ形は、収入源の分散にもなります。いきなり独立せず、副業でフリーランスの感覚を試してから判断する、という進め方もおすすめです。

収入はフリーランスと正社員どちらが上がりますか?

稼働単価が上がれば、フリーランスは正社員と同等かそれ以上も可能です。ただし単価は自分の市場価値と直結し、営業や案件の切れ目のリスクも自分持ち。正社員は年収の伸びが緩やかな代わりに、賞与・退職金・社会保険といった『見えにくい報酬』が加わります。額面だけでなく総額で比べるのがコツです。

まとめ

フリーランスと正社員は優劣ではなく、今の自分の局面に効く軸で選ぶもの。そして、選んだ後に往復してもいい。ちなみに転職DBのデータでは、退職者の最多の転職先が「独立・起業」だった年もあり、会社を辞めた人が独立に流れる動きは実データにも表れています。気になる会社を辞めた人がどこへ行ったかを見ると、自分の選択肢の相場感もつかめます。

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この記事を書いた人:bani24884

フリーランスのフルスタックエンジニアとして約5年活動したのち、2026年に実際に正社員へ転職活動を行いました。本コラムは、その過程で得た応募〜内定までの一次体験(選考ファネル・年収・複数エージェント運用など)を、 脚色せずに記録したものです。一般論ではなく「当事者が実際に経験したこと」だけを書いています。