エンジニアが年収交渉を「しなかった」理由|直応募よりエージェント経由が得なわけ
年収交渉の記事はたくさんありますが、たいてい「交渉はしたほうがいい」で終わります。でも実際に2026年に転職した私は、2社から内定(850万と930万)をもらいながら、年収交渉を一切しませんでした。しかも選んだのは高いほうではなく850万のほうです。損をしたかったわけではなく、交渉“しない”合理的な理由があったから。この記事で伝えたいのは、年収交渉は「する/しない」より「誰が交渉するか」で決まる、ということ。私がなぜ交渉しなかったのか、そして「交渉して数字を詰めたいならエージェント経由が得」という結論を、一次体験で書きます。
結論:交渉は「誰がやるか」で決まる
先に結論です。自分で直接交渉するのは、相手がこれから同僚になる人たちだと想像以上にやりにくい。だから「交渉したい」なら、あなたが矢面に立つのではなく、あいだにエージェント(第三者)を挟むのが合理的です。逆に、私のように直応募で条件に納得しているなら、無理に交渉しない選択もアリ。大事なのは、交渉の前に数字はほぼ「席」で決まっている、という前提を知っておくことです。
私が年収交渉をしなかった理由①:直応募という形だった
今回、私は最終的に2社で迷いました。オファーは850万と930万。交渉もせず、あえて850万の受託のポジションを選んでいます。そしてこの内定は、エージェントを介さない直応募という形でした。あいだに人が入っていないので、条件の話も採用担当や現場の人と直接します。ここで気づいたのですが、これから一緒に働く同僚になる相手に、自分でお金をゴネるのはかなり気まずい。入社初日から「あの人、粘って年収を上げた人」という空気になるのも避けたい。直応募には距離の近さや透明性というメリットがある一方で、「自分で交渉することになる」という側面がありました。受託を選んだ経緯はITコンサル・SIer転職でエンジニアの年収は上がるのかに書いています。
理由②:評価・グレード制度の説明を受けて、数字に納得感があった
もう一つ大きかったのが、選考の中で評価制度・グレード制度の説明をしっかり受けていたことです。「このグレードならこの年収レンジ」という設計が明確だと、提示された数字が“言い値”ではなく制度に沿ったものだと分かる。透明性があると、交渉して1〜2割上げてもらう、という発想自体が薄れます。数字に納得できているなら、無理に粘る必要はありませんでした。
だから「交渉したいならエージェント経由」が得
裏を返すと、こうです。数字を詰めたいなら、直応募ではなくエージェント経由で応募したほうがいい。エージェントを挟めば、あなた自身が未来の同僚とお金の話で角を立てずに済みます。第三者が相場をもとに代わりに交渉してくれるので、印象を損ねずに条件を伝えられる。実際、転職で年収交渉をした人のほうが、しなかった人より年収アップの実現率が高いという調査もあります。「交渉が苦手だから諦める」のではなく、「交渉が得意な人に任せる」と考えると景色が変わります。複数エージェントの使い分けは転職エージェントは何社使うべきかにまとめました。
ただし、交渉の前に「席」で数字はほぼ決まっている
ここが一番大事です。交渉は万能ではありません。提示額は、交渉する前の段階で「どの業種・どの役割の席に座るか」でほぼ決まっています。私の場合も、受託という席を選んだ時点で850万というレンジは決まっていて、交渉はその微調整でしかありませんでした。大きく数字を動かしたいなら、交渉テクニックを磨くより、天井の高い席を選ぶほうがずっと効きます。なぜ同じ自分でも席で年収が倍近く動くのかはエンジニアが年収を上げる方法は「どの席に座るか」に全体像を書いています。
まとめ:母数はスカウト、交渉はエージェント
現実的な進め方はこうです。
- 母数を集める:ビズリーチなどのスカウト型で、どの席がいくらで自分を欲しがるかを広く見る。
- 席を選ぶ:業種・役割で年収の天井が変わる。ここが数字の大半を決める。
- 条件を詰める:交渉したいポジションは、直応募ではなくエージェント経由にして代行してもらう。
交渉を「する/しない」で消耗するより、この3ステップで“誰が・どの席で”を設計するほうが、最終的な数字は動きます。自分に合うエージェントは、下のガイドから探せます。
転職を振り返って、いちばん怖いと思うのは——もし1社だけに絞っていたら、入社した会社に出会えていなかったということです。
後悔したくなくて、最大限ためすために転職サービスを8つ登録しました。やってみると、最終的に入社を決めた会社も、もう1社の内定も、それぞれ別のサービス経由。同じ条件で登録しても、各社で出てくる求人はまるで違いました。だから「どこか1社」ではなく、タイプの違う5社前後を組み合わせる——これが実際に使って出した結論です。
いま転職する気がなくても大丈夫です。登録は無料で、合わなければ断ればいい。生成AIで評価の軸が動いている今こそ、まず「自分が市場でいくらに見られるか」だけ知っておくと、いざという時に慌てずに済みます。提示年収は「どの席に座るか」で変わる
ここに並ぶのは、私が実際に使った8社だけ。名前も知らない会社を埋め草で足したりはしていません。
ダイレクトスカウト型
企業やヘッドハンターから直接スカウトが届く。年収の提示が早く、レンジも広い。エージェントを挟まないぶん話が速い。
総合・IT特化エージェント型
求人の提案量と技術理解が段違い。面接対策まで伴走してくれるので、選考そのものが有利になる。
よくある質問
年収交渉はいつするのが正解ですか?
面接の途中で強く主張するのは避け、内定が出て条件が提示されたタイミングが基本です。希望額は「市場データ・その会社の給与テーブル・前職実績」の3点を根拠に、1点ではなく幅(例:650〜700万)で伝えると通りやすいと言われます。
直応募でも年収交渉はできますか?
できます。ただ、これから同僚になる相手に自分で金額を詰めるのは、関係の面でやりにくい部分があります。私自身、直応募という形だったこと、そして評価・グレード制度の説明を受けて数字に納得感があったことから、交渉はしませんでした。数字を詰めたいなら、直応募よりエージェント経由のほうがやりやすいです。
年収交渉はエージェントに任せて大丈夫ですか?
むしろ第三者が代わりに交渉してくれるほうが角が立ちません。転職者本人が交渉の場に立たずに済むので、印象を損ねずに条件を伝えられます。実際、交渉をした人のほうが年収アップの実現率が高い、という調査もあります。母数はスカウト型(ビズリーチなど)で確保しつつ、条件交渉はエージェントに任せる、という併用が現実的です。
年収交渉をしないと損しますか?
一概には言えません。提示額は交渉の前に、まず「どの席(グレード・ポジション)に座るか」でほぼ決まっています。交渉はその微調整です。大きく数字を動かしたいなら、交渉テクニックより、天井の高い業種・役割の席を選ぶことのほうが効きます。
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この記事を書いた人:bani24884
フリーランスのフルスタックエンジニアとして約5年活動したのち、2026年に実際に正社員へ転職活動を行いました。本コラムは、その過程で得た応募〜内定までの一次体験(選考ファネル・年収・複数エージェント運用など)を、 脚色せずに記録したものです。一般論ではなく「当事者が実際に経験したこと」だけを書いています。